〇〇でないと、自分には価値がない?

仕事をしていないと、いい母親でないと、がんばっていないと、自分には価値がない。そんな風に感じたことがある人はいらっしゃるでしょうか?特に考え込んだことはなくても、自分の仕事を人に任せるのが苦手だったり、この業務ができるのは自分だけ、という状態をなんとなく手放せないという方はけっこういらっしゃるのではないかと思います^^

人に迷惑をかけてはいけない

会社員時代を思い返すと、私はガッツリこのタイプ。社会人たるもの、責任感をもって業務に当たらなければいけない。人に迷惑をかけてはいけない。というのは、私の強い信念のようなものになっていました。

その信念たるや。

多少熱があろうと、体調が悪かろうと、電車が止まろうと、なんとかして会社に行こうしたり、業務が立て込んでいたら残業してでも“自分でなんとかしなくては。”と抱え込んだり。今思うと、ほんとよくやったな(笑)と思うこともあります。(熱を出しながら会社に行くなんて、今ならとんでもないですしね。)

どんなに目の前の仕事が山積みでも、『これ、できる?』『やっておいてくれる?』と上司に頼まれようものなら、ふたつ返事で請け負う。そんな調子だったので、毎日仕事が終わるときには疲労困憊。週末はひたすら、ダラダラと寝てしまう。なんてことも珍しくありませんでした。

そんなに、仕事が多いなら、他の人に頼ればよかったのに。体調が悪ければ、休ませてもらったらいいのに。

当時はそんなこと思いもしなかったばかりか、そういった考えに嫌悪感さえ頂いていたように思います。

任された仕事を期待通りに仕上げなければ
人に迷惑をかけないようにしなければ

そうできない自分は嫌だし、そんなことをしていたら今の仕事も立場も、今まで築いた信頼も失ってしまうかもしれない。
そんなことをしたら、自分の評価や価値を下げてしまうかもしれない。そんなある種の恐怖に近い感情が私を突き動かしていたのかもしれません。

過剰なものを、手放すために必要なこと

トラストコーチングスクールで、コーチングを学ぼうと思ったとき、テキストに書かれている

自分を信頼できていますか?

というメッセージには、正直少し心がざわざわしました。

深く考えたことはなかったし、自分の自己肯定感が低いだなんて当時は思っていなかったけれど、『何かを頑張っている自分、何かができる自分だから、価値があり求めてもらうことができている。』という感覚を持っていたんだと思います。

たとえ、人の手を借りることになっても、手放す仕事があっても。自分を信頼することができていれば、仕事を抱え込む以外に、きっといろんな手段があったはずです。

それは、同じ仕事をする人に働きやすい環境を作っていくために役立ったかもしれないし、新しい業務に携わることで、誰かの能力を伸ばすきっかけになったかもしれない。もしかすると、業務過多になっているとは、まわりは感じていなかったかもしれないですしね。

また、1人で業務を抱え、なんとかやりくりしようとしている私は『任された仕事は自分の力で責任をもってやり切るものだ』という無言のプレッシャーをまわりに与えていたかもしれません。心や体を疲弊させることなく、孤独を感じることなく、誰かと何かを作り上げるという感覚と時間をもっと大切にできたのではないかと感じています。

大人の女性がキャリアを築いていくために不可欠なことは、自分をすり減らすことなく自分の成長を楽しんでいけるセルフマネジメント力。どんなに、仕事のパフォーマンスが優秀でも、そこに精神的な充実度が伴わず、キャリアに悩む女性をたくさん見てきました。

仕事や会社が嫌いなわけではないけれど、何かボタンを掛け違っているかのように、心の隙間がある。思うように仕事と家庭のバランスが取れなくて、張りつめた気持ちで毎日過ごしている。ライフステージの変化に伴い、自分の希望する働き方は難しいかもしれないと思っている。

そんな方にこそ、自分をすり減らさないセルフマネジメント力。もっというならば、自分で自分にもっともっと期待をして、応援していくためのセルフコーチング力をぜひ味方につけてほしいと思うのです。

自分を甘やかすことと、承認できることは、まったく異なること。(これ、私は長年ごっちゃにしてました。)

自分を承認する視点が乏しい場合は、過剰に自分を追い込むようなセルフトークを繰り返してしまうこともあるかもしれません。もっともっと頑張らなきゃ、自分の仕事を果たさなきゃ、と。

ですが、どんなにひとりでなんとかしようと頑張っても人は1人で生きていくことはできませんし、1人で抱え込む必要もありませんし、そもそも何かをしていないと価値がないなんてこともあるはずがないのです。

今、自分が、どんな風に誰かのために貢献できているか?
今、自分がもうすでにできていることは何か?
改めて考えてみると、きっとあなたの存在は、今も誰かを支えているはずです。

コーチングを学ぶことは、視点の数を増やすこと。

自分や、まわりの人に対して多くの視点を持ち関わることは、きっとあなたの見ている景色を少しづつ変えていくことになります。それはきっと、今いるあなたのまわりの方に対しても新しい見え方が生まれるでしょうし、何より、あなたが本当に手に入れたい理想の働き方やライフスタイルに近づいていくための、味方になってくれるはずです。

人生の時間の針は戻すことができない、とよく言います。一度切りしか味わえないこの時間を、あなたらしく豊かに重ねていくためにぜひコーチングを活用してみてください。

 

自分らしいキャリアで、豊かに働くためのコミュニケーションスキル

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Profile

TCS認定コーチ/一般社団トラストコーチング法人営業部
藤田 純子(Junko Fujita)


大手人材会社で8年間医療福祉業界の人材サービス業に携わる。手がけたスタートアップのうち、介護職の人材紹介部門はのちに業界トップシェアを獲得。
その後、同社人事部にて教育部門を設置。新人研修、リーダー研修など年間のべ1,500人以上の幅広い社内の人材育成研修を担当する。


現在は、トラストコーチングスクール認定コーチ型研修講師として、企業研修や、ビジネスパーソンへの個人コーチングを提供。