オンライン研修を質の高い時間に

オンラインでの研修は、リアルでの研修にかなわない?

以前より、Zoomなどのオンラインツールを活用していた人だけではなく、『ほんとはリアルが好きだけど・・』という方もオンラインツールの活用をせざるを得なくなっている中で、

『とても便利なので、今までリアルに拘っていたけれど、もうこれからもずっとオンラインでもいいかもしれない。』というお声だけではなく、
『オンラインを使ってみたけれど、やっぱりリアルより格段に掴みにくい。』
『参加者から予期しなかったクレームが出た』など様々なお話しをお伺いします。

便利な側面は多分にあるけれども、オンラインのコミュニケーションをリアルな場の延長のように考え進めてしまうと、ギャップが生まれたり、ミスコミュニケーションのもとになってしまうかもしれません。

ですが、移動のコストや時間などを考えると、本当に便利なオンライン研修。できることの可能性をより高め、満足度の高いものにしていくためにはどうすればいいでしょうか?

実際、私が人事として社員研修を行っていた際は日本全国を瞬時に繋げることができるといった利点から入社研修はすべてオンラインでリアルタイムで行うものと、自席で行う動画研修を組み合わせて行っていました。1人で20拠点ほどの中途入社の方を対象にした研修を毎月行う必要があったため、社内の専門部署に何度も相談をしながらたどり着いた形でしたが、なんと便利な世の中になったんだ・・!とアナログだった私でさえオンラインに希望の光を感じたことを覚えています。

オンラインで一方的な話は、長時間は聴けない

1対大勢で行われるオンラインの場では、どうしても参加者の体感時間はリアルに比べて長くなり、自分に向かって話しているといった感覚も保ちにくくなります。そのため参加者側からみると、リアル以上に集中力が保ちにくいというデメリットがあります。

まるで、テレビを見ているかのように感じてしまう・・といった点が否めませんが、これでは研修効果も薄くなってしまいます。考えるべきは、いかに自分ごとに考える時間と、場に参加している緊張感を保つことができるか。

コーチ型研修を行う上で、とても大切にしているのは、いかに自分ごとに捉えることができるかという点です。自分だったらどうするか?と思わず思考してしまう時間であれば、その時間から学びとることもとても多くなるでしょう。

そういった質の高い時間にするためには、ティーチングに加えて相手の思考を進めやすくするようなコーチングでの関わりがとても有効です。そんな質の高い双方向型のコミュニケーションを行いながら、受け身にならない意識を自然と作っていけるところは、コーチ型研修の強みです。

また、質を高めるためには参加者側に緊張感を保ってもらうことも不可欠だと感じています。単調な話し方にならないように工夫すること、不規則に発言の機会をまわすことなどから始めてみるのもおすすめです。

相手には、独自の空間がある

自宅から参加できるというオンラインのメリットは、裏を返せば当人以外の人もその場に参加しているかもしれないということの裏返しでもありますし、複数人が集まっている場所とオンライン接続をする場合は、その『場』での空気感があります。話す側にも囲われた空間で話しをしているわけではないという前提での言葉選びや場作りが必要になっているといえます。

研修などで複数人いる拠点ごとにオンライン接続をする場合は、ひとつひとつの場をあっためるような感覚で巻き込んでいくのもひとつだと思います。自宅から接続している場合には、もしかしたら、相手の環境では相手の親やパートナーも横にいるのかもしれない、そのときどう見えるのだろうか?といった視点を持って準備をするとまた違った伝え方になるのかもしれません。

オンラインの満足度を高めるためには

人の話を聴いているとき、人はすべての情報を聴いているわけではなく無意識に自分の興味があることや、自分にメリットがあることを選別しながら聴いていると言われます。そんな中でより多くのものを持って返ってもらうためには、この時間はどういったことを習得してもらいたい時間なのかということを明確に伝えておくことです。

研修が始まるまでのセットアップ次第で、内容の吸収度は大きく変わってきます。初めましての方に向けて話をするのであれば、この人の話をもっと聴いてみたいと感じるようなあなたの魅力が端的に伝わるような自己紹介も大切なセットアップの一部になります。

集中して聞けば聞くほど、やはり人間疲れるものですし、疲労があればより気が散ってしまうというのも正直なところ。緊張感ただよう時間の中でも、思わず笑ってしまうようなアイスブレイクが一度でもあれば、終わった後の満足感も大きく変わってくるなぁと思います。

離れた空間を共有する中でも、相手の感情の変化を意識しながら、進めていく視点を大切にしながらオンラインならではの良さをお互いに感じることができるようになるといいですね。

 

コーチング型研修とは?

 

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Profile

TCS認定コーチ/一般社団トラストコーチング法人営業部
藤田 純子(Junko Fujita)


大手人材会社で8年間医療福祉業界の人材サービス業に携わる。手がけたスタートアップのうち、介護職の人材紹介部門はのちに業界トップシェアを獲得。
その後、同社人事部にて教育部門を設置。新人研修、リーダー研修など年間のべ1,500人以上の幅広い社内の人材育成研修を担当する。


現在は、トラストコーチングスクール認定コーチ型研修講師として、企業研修や、ビジネスパーソンへの個人コーチングを提供。