また、言ってしまった・・と後悔するとき
人との距離感について改めて考えることが多かった今年。高齢の親や、妊娠中の友人など相手の状況や環境によっては会うことを自粛することも度々あり、思うように会えないこともある反面、距離があるからこそ相手のことを大切に考える時間が増えたり、限られた時間の過ごし方が色濃くなったような気もしています。
近しい家族や身内、毎日顔を合わせる同僚には、優しくしたいのになかなかできない、と感じたことがある人も多いのではないでしょうか?あぁ、イライラしていて、また言わなくてもいい一言を言ってしまったと後から反省するときは、決まって自分を責めるような言葉がでてきやすくなっています。
そして、そんな自分を責める口ぐせは自分に対しても、本当は大切にしたいと思っている相手にもいい影響を与えることはなかったなぁと思い返します。コーチングを学んでいるのに、そんな失敗することがあるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろその逆で、自分の失敗に気づくからこそ行動を改めたりその対処ができるようになっていくのです。
言葉以上に気をつけたいコミュニケーション
実際に、また言ってしまった・・!を減らす前に知っておきたいのは、私たちは言葉を相手に何かを伝える前に、言葉にならない、いろんな情報を人に伝えているということ。『ママ、今日はイライラしているな』とお母さんの顔色を窺う子どもをドラマのワンシーンなどで見かけることも、『上司の〇〇さんは、今日は機嫌がよさそう』といった会社での会話も、身近なものではないでしょうか。
人間、毎日ごきげんに鼻歌を歌ってはいられるわけじゃないというのが本音ですが、私もこの言葉にならない非言語のコミュニケーションには反省することがとても多いのです。今話しかけてほしくない、怒ってるのをわかってほしい、いちいち言わせないでほしい。そんな感情を心の中で呟いているときは、きっとものすごい表情をしていたのだと思いますし、言葉以上に雄弁に相手に伝わっていたこともたくさんあったと思います。
コミュニケーションを学びだして『今の自分が、一体まわりの人にどんなメッセージを伝えているのか』を頭の片隅で考える癖がついただけでも、自分の非言語コミュニケーションが与える影響に、ずいぶん早めに気づくことができるようになりました。
それは、自分の状態に目を向ける力が以前より鍛えられたおかげで、イラっとしたスイッチが入ったとき俯瞰して自分を見ることができるようになったのかもしれません。『あれ、私は何にこんなにもイライラしているんだろう?』と興味のベクトルを持てるだけでも、イライラが増幅する前に冷静にもどるスイッチが押せているという感覚に近いかもしれません。
怒っちゃダメ。我慢しなきゃ。と思うと、イライラはなくならず苦しいですよね。溜め込んでいつか爆発してしまうこともあるかもしれません。『怒り』や『イライラ』は人間の自然な感情だし、持っていていけないということもないのですが、伝わる伝え方を工夫しないと、一体何に怒っているのかも相手には伝わらず、よくわからないけれど、あの人は今日は機嫌が悪い。とだけ受け取られてしまうととても残念でなことですよね。
自分の中での会話を見直す
自分の状態が、より丁寧に自分でわかるようになり、自分は近しい人からどのように見えていて、どんな程度の影響を与えている存在なのかに目が向くだけでも自分が発する言葉は、確実に変わっていき、相手に伝わる安心感も、育まれていく。
突発的に、放ってしまったひとことに相手だけではなく自分も傷つき、あーーーーーーーーーーーまた言ってしまった・・・。と自分の発言を、後悔して自己嫌悪に陥ることが減るだけでも、コミュニケーションを学ぶ価値って十二分にあるんじゃないかなと思うのです。
何にイライラしているか、自分でも明確にわからない、という状況はそれだけでもストレスに感じやすく、また同じことを繰り返してしまう理由にもなるかもしれません。
自分の状態が乱れているな、というときほど自分にどんな言葉をかけているのかをぜひ意識に止めてみてくださいね。