『同じことを何回も聞くのは相手の時間も奪うのがから、1度聞いたら覚えられるようにメモを取りなさい。』というのは、私が学生時代のアルバイトで教わったことでした。そして、新卒入社をした会社でもやはり同じように教えられ、一度聞いたことはできるようになっておくのが当たり前という基準がいつしか自分の中に芽生えていました。
確かに仕事の始めたてなど、インプットしなければならない情報が多く、また知識として持っておけばすぐに対応できる事柄もたくさんあります。ですが、どんな仕事にもあるケースバイケース。その時々に合わせて、考え判断することが求められる内容や、相手の個性や状況に合わせて対応する内容はなかなかマニュアルがあるから大丈夫というわけにもいきませんよね。
無意識にもこんな基準を持っていたからか、『もう、何度同じことをいったらわかるの?』というセリフは私も度々口にしていました。(口に出さなくても、心の中で呟いていたり)
『知っていること』と『できること』は本来まったく別物で、この間には大きな溝がありますが、私たちは「自分がすでにできている」ことは、「やり方を伝えれば相手もできるようになる」と思ってしまいがちです。自転車に乗るコツを口頭で伝えても、1発で乗れる人がほぼいないのと同じように、どのようにすればいいのか頭でわかっていても、できないのはごく自然なこと。そしてこれは「マネジメント」や「コーチング」といったビジネススキルにおいても同じです。
では、一体どうすれば「できる」ようになるのでしょうか?
反復しながら実践を重ねる経験を積むことが一番早く、確実な方法です。例えば社内での人材育成において『初めて部下をもつ階層にマネジメントについて学んでもらうため研修を用意しよう』と一回限りの研修機会を設けてもなかなか効果を感じられないといったことが起こっているかもしれません。
とはいえ、何度も実践の場を設定し都度必要なフィードバックを伝えていくことが大切とわかっていても、その環境を整えるということが難しい場合も多いと思います。時間や運営の煩雑さなどのコストを極力減らしながら、こういったことを実現してくことはできないものでしょうか?
実際に、中途採用が多く実力次第でどんどんポジションが変わっていくことが多いアメリカの人材育成をひも解いてみると、新しい知識やハウトゥーは教える側の労力を減らす動画研修などを取りいれ、実践し意見を共有しあったり、フィードバックを与え合うという生の学びを得られる機会を継続的にこまめに取り入れるという方法が主流となっているそうです。
考えてみると、日本に比べて国土もけた違いに広く、社員を一か所に集めることが不可能だからこそ、こういった方法が主流となったのかもしれませんね。
私がこんなことに興味をもったのも、部下をもつ立場になったとき「どうして1回教えたことができないんだ?」「そんなこと考えたらわかるだろう」といった呟きを、心の中でよくしていたからです。マネジメントやコーチング、タイムマネジメントや仕事のPDCAなど、知識を持つことが大切なのではなく、できるようになることが大切な事柄においては、わかるとできるの間の大きな溝をいかに埋めていくかが大切なのだなと捉え方が変わったときに、目から鱗が落ちたような感覚になりました。
社内で年度を通じての教育プログラムを組むことは、様々な部署との調整業務や管理業務も発生するとても煩雑な業務になるかと思いますが、2020年の恩恵としてはオンラインを主軸にこうった部分をまかなっていくツールがいろんな企業から多数提供され、使いやすいものもたくさん出たということだと思います。
実際に、お話しする企業の人事担当者さまからも「一部の社内研修をオンラインや動画研修に切り替えているが、課題がある反面利便性や効果の面での手応えを感じている」とお話しや、教育の転換期になったとお話しを伺うことも多いです。
リアルな場だからこそ学べることも、もちろんたくさんありますが、自分の隙間時間を用いながら効率よく学び反復練習ができるなど、オンラインの方が便利に行えることもたくさんあります。質の高い選択肢が増えた現代だからこそ、企業に合わせた取捨選択が大切なのかもしれませんね。
あらゆる分野のビジネススキルと、コミュニケーション(コーチング)が動画でインプットでき、オンライン研修で実践の場がもてるトラストボーディングも、こうった時代に背景もあり誕生した実践型Eラーニングです。
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